anxiety
黒鉄-眩暈-BBQ
さて…
読み終わりました。
常々、疑問に思っていた事ですが…
少なくとも20~30年前の米国は魅力に溢れた国で、無論個々人の多少の主観の違いさえあれ、一度は訪れてみたい、またはその文化に触れてみたい、一種憧れの国では無かったでしょうか…
その憧れの的であった筈の国が、世界中から憎まれる様になって久しい…
暴力・麻薬等治安のイメージが先行しがちですが、依然パワフルで、リーダーシップをとるに足る世界で唯一の国である事に異存は無いと思います。
依然他国への援助にも積極的ですし、冷戦が終わった今民主主義の体現者としてもです…
確かに…
なんでこんなに憎まれる様になってしまったんでしょう?
インターネットの発達により、世界の国々の距離が縮まり、その価値観はある一定の範囲内で共有される様になりました。
そーゆー意味では確かに、より歴史が深い国に興味を覚える人、または自国の文化により近い共感を求める人 等等… 情報の多様化により選択の幅が広がり、相対的にアメリカの魅力が下がったとゆーのも一つの考え方でしょう。
でもねー 「嫌いじゃないけど別に…」 とゆー感情は説明できても、ハイジャックした飛行機でビルを攻撃するってのは…
やっぱり憎しみの極みです。
この現在のアメリカについて興味深い描写があります。
テロ対策のCIA高官が自問します。
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ところが、実際には、周囲の状況は悪化の一途をたどり、ブラック・アフリカやイスラム諸国、そしてヨーロッパの左翼は、アメリカに対して憎悪の火を燃やしている。
何が間違ったのだろう?
この疑問には米連邦議会もメディアも解答を見出せないでいる。
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ほとんどのアメリカ人は1951年から2001年までのあいだに生じた変化を理解できない。
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1960年代後期に、ロンドンのとあるクラブでそのことを説明してくれたのは、イギリスの諜報機関を統括する老練のスパイマスターだった。ベトナム戦争が泥沼化して、世界各地で暴動が発生している時期であった。
「あのねえ、きみが弱かったら、憎まれたりしないよ。貧しければ、やはり憎まれない。一兆ドル出さずば憎まれないが、一兆ドル出したら憎まれるんだよ。」
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「きみの国に対する憎悪は、きみらが連中を攻撃するからじゃない。彼らの安全を守ってやるからだよ。笑顔を見せて人気を求めちゃいかん。上に立って、なおかつ好かれようなんて虫がよすぎる。そんなことはできっこないんだから。アメリカに対する感情で、否定的な要素は10パーセント、あとの90パーセントは羨望、やっかみだよ。忘れてはならないことが2つある。1つは人は自分の守護者を赦すことができないということ。もう1つは、人が恩人に対して抱く嫌悪感ほど激しいものはないということだ。」
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好かれようと嫌われようと、とにかく、アメリカは世界最強の国なのだ。
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かつては古代ローマが、この何ともうさんくさい名誉を担った。ローマ帝国は自分に向けられる憎悪に対するに、情け容赦のない武力行使でもって応じた。
百年前には、大英帝国が覇権を誇った。彼らは憎悪に対して、なんともやるせない侮蔑でもって報いた。
そして今現在、世界の憎悪を一身に浴びているのはアメリカで、自分たちはいったい何を間違えたのだろうと懊悩している。
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さて、アメリカにはどんな未来が待ってるんでしょう。
見届けるのは、孫の孫の孫の代くらい後でしょうか? それとも…