experimentation
長雨
- 帝釈天 -
寺院の表門を抜け出ると、雨がふりだした。
石畳にぽつぽつとした雨滴が点をうち、やがて斑の模様を為し、ぬらりとした質感に覆ってゆく。
参道につらなる茶店の庇下は急な雨を凌ぐ参拝客で溢れかえる。
雨宿りがてら一軒の蕎麦やに入り蕎麦を啜る。
暫く経ち一向に降り止む気配を見せない雨足に業を煮やした客供が、一人二人と店を飛び出していく。
三杯目の茶をゆるりと啜りながら、ほかにもう一人店から出た後、店を辞すこととした。
途切れ途切れの庇伝いに雨を除けながら歩く。雨垂れが頬をつたう。
急な雨降りに目端のきく土産屋は店先にて傘を売る。
最後に一本売れ残っていた安物の黒い傘を所望し、悠々と参道を後にした。
路線の終点である駅には観光客らしき初老の男女と学生が数人、いつ来るともわからぬ電車をさして気に留める風もなく待っている。
やがて、ホームに列車がすべりこむ。
乗客をはきだし、終点の折り返しを待つ車内にのりこむ。
閑散とした座席にぽつりぽつりと数人のみを乗せた列車が発車した。
車内の車窓をたたく雨音に耳を欹てながら窓外の景色に目をやる。
列車は昼下がりの雨のなか、そろそろ橋梁にさしかかる。
…とゆう場面。(笑)
オチはナシ。
んで蕎麦は美味かった。鴨南ネ…
2 件のコメント:
まるで小説。。。
情景見えました^^一枚の写真からも・・・
列車の中の雨の香りまで伝わってきました。
あったか~いお蕎麦が恋しくなる季節になりましたネ
ぽっかりあいた平日の昼間 至福のときでした。 やみつきになりそうです。(笑)
蕎麦の量が凄かった。誰が完食できるんだ?ってくらい… 大盛頼んだ僕が馬鹿でした。
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